著者の篠崎史紀さんは九州出身でお父さんとお母さんはヴァイオリンの名教師、弟さんはチェリストと音楽一家です。学生時代にはコンクールで頭角を表して、青年時代はウィーンに留学され、帰国後、読売交響楽団、NHK交響楽団と歴任され、まさに日本一とも言えるコンサートマスターです。
コンサートマスターはみなさんがご存知のとおり交響楽団の演奏会の中心的存在です。指揮者の次、または同等の役割があります。指揮者の意図を読み取ったり、後列の弦セクション、また管打楽器のまとめ役、ボーイングや弓の使う位置、音程、時々出てくるソロ演奏、スコアや拍を正確に読み弾き始めたり、ホールの響きを調節したり、多々、とにかく豊富な経験がないと務まらず、スーパースターです。
話を戻しますが、近年日本の楽譜、音楽書はきれいな校訂と紙質でかなり読みやすくなってきています。自分の学生時代にはあまり日本のヴァイオリンの楽譜や学習書はなく、その代わりといえば諏訪内さん達名手を育てた巨匠の江藤俊哉先生のお稽古がNHKで放映されてることでした。現在日本の出版社もヤマハ、音楽の友社、全音出版、シンフォニア等々、数も増えて貴重な音楽家の学習の助けとなっています。レッスンの友社からは先生の書き込みの楽譜もあります。先日面白いことにロシアの世界的名手ヴェンゲーロフ氏のオンラインレッスンがYouTubeで見れてすごい時代になったと思いました。
さてこのテキストはヤマハの出版となります。中級レベルくらいの学習者に参考になります。簡潔に100のコツが丁寧に書かれていて、初級と上級にも役立つようになっています。今回改めて読み直しましたが、どのページも的確に指導されていて、これだけ多数のアドバイスは貴重です。なお篠崎さんにはDVDの立派な指導テキストもあります。こちらは本格的に時間も使って具体的に指導しています。
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